「知覧特攻平和会館に行きたい」

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優心くん(お申し込み時15歳)
『永遠の0』の小説と映画をきっかけに、その世界に強く惹かれるようになった優心くん。いつしか知覧特攻平和会館を訪れることが、優心くんの夢になりました。
知覧町に入ると特攻兵の慰霊碑や記念碑がたくさん目に入ります。誘われるようにして目的地の「知覧特攻平和会館」へと到着。
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入口へと続く長い通路の右側には、特攻戦闘機「隼」が屋外展示されていて、優心くんやご家族は「凄い!」と息をのんでいます。
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入館すると、学芸員の方がお迎えくださり、11時からの講話までの時間に、先に学芸員さんから解説していただくことになりました。事前にお伝えしていた、優心くんからの三つの質問にも、丁寧にゆっくりと語りかけるようにご回答いただきました。

その後は視聴覚室で講話をお聞きし、続いてDVD鑑賞へ。鑑賞後の優心くんやご家族はしばらく無言に…それぞれが思いを巡らせているご様子です。特攻兵士たちの遺書の代読を聞かせていただくと、母上様、我が子へ、妻へと、置いて逝かざるをえない切ない想いが強く重なり響いていました。

その後も納得のいくまで貴重な資料を見たり、読んだりして過ごしました。優心くんの表情は引き締まり、入館前と比べると逞しくなったように映ります。会館を出ると、同じ敷地内の三角兵舎を見学し、特攻平和観音堂では手を合わせて特攻兵士たちへの慰霊と感謝の気持ちをお伝えしていました。
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会館を後にし、お昼ご飯をはさんだ後は知覧にいったら絶対外せないもう一つの名所、特攻隊員の知覧の母と言われた鳥浜トメさんの「富屋食堂ホタル資料館」も見学し、ひとつひとつの資料を全て読み込んでいました。ここではより深く特攻兵士たちの素の部分も感じることができて、優心くんとほぼ同世代だった特攻兵士たちの素直な気持ちと自分のことを重ねていたようです。

優心くんに知覧特攻平和会館を訪れた感想をお聞きすると、「自分と同い歳ほどの若者が不条理な戦争の犠牲となり大切な生命を散華した史実が目の前に示され、言葉にならないくらいの感情と、自分がいまも生かせていただいているのも、あの時代に自分を犠牲にしてまで日本国民を守ってくれたお陰と思い、感謝の気持ちでいっぱいになりました」と、真摯に答えてくれました。
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お父さまは「いつも家族や周りのことを優先的に考えている、優しい優心を心配に思うことがあったが、今回だけは知覧に行きたい!と、自分の意志をしっかり見せてくれたのが嬉しかったです」と、お話してくださいました。

また、お母さまからは、「病気になってから自分の生きていることの意味や、病気と闘いながら今も毎日過ごしていますが、今回の旅で知った特攻兵士にとっての知覧の母、鳥浜トメさんが生き残った特攻兵に贈った言葉…『
なぜ生きのこったのか考えなさい。何かあなたにしなければならないことがあって生かされたのだから』、この言葉こそ今の優心に一番伝えたいし、本人にも一番響いたと思います」とのご感想をいただきました。

二人のご姉妹もとても熱心に特攻平和会館などで資料を読んでいらっしゃり、ご家族皆さんが優心くんに寄せるお気持ちや優しい心を感じる時間となりました。
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