「本物のサンタクロースに会いたい」

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まほちゃん(11歳)
2018年夏、Make-A-Wish Japan に一通の手紙が届きました。愛媛に住む、まほちゃんからです。

「私の夢はサンタクロースに会うことです。毎年クリスマスプレゼントをもらっているけど、いちども会ったことがないからです。大きくなるとプレゼントがもらえなくなると聞いたので、直接プレゼントをもらってだきしめてもらいたいです」

クリスマス直前の 12 月のある日、まほちゃんのためだけに、サンタクロースさんが通訳さんを連れてフィンランドから会いに来てくれることになりました。
いよいよ当日、ボランティアさん達と会場のホテルの部屋に手作りのクリスマスの飾りつけをして、ドキドキしながらまほちゃんを迎えます。

体調を崩し病院から来ることになったまほちゃんでしたが、ご家族に車いすを押され、サンタさんの待つお部屋に入ってくると、長いまっ白なお髭、赤い帽子、赤いマント、大きなからだ、本物のサンタクロースに

「わーっ!」

と思わず声があがり、夢の時間がスタートしました。
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少し緊張したまま自己紹介をしたあと、なんと予習してきたフィンランド語でご挨拶! サンタさんに聞きたかったことを1つずつ尋ねます。サンタさんは面白おかしく、時々

「秘密だよ」

と質問に答えてくれながら、相棒トナカイのぬいぐるみやフィンランドのお菓子をプレゼントしてくれました。
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最後の質問の終わりに、サンタさんからまほちゃんへ渡されたカップ。このカップ、白樺の木のコブを切って作られていて、まほちゃんの名前がアルファベットで彫られています。

まほちゃんがこのカップを使う度に、サンタさんにも使っていることが分かるんだそう。
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まほちゃんから、お返しの手作りカードをプレゼントすると、とても手の込んだ気持ちの詰まった美しいカードに、サンタさんも感動のご様子です。
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しかし楽しい時間はあっという間……

お部屋を出るまでサンタさんに名残おしそうに手を振るまほちゃん。
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サンタさんも手を振りながら、

「クリスマスの日にまた会おう、寝ている間に会いに行くよ」

と言ってくれました。

「楽しかった」

と会場を後にするまほちゃんの顔がほころんだ時、この瞬間に立ち会った私たち全員も幸せな気持ちに包まれました。

サンタさんと過ごしたあたたかくキラキラした夢の時間が、いつまでもまほちゃんの心に残りますように。
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