「中村俊輔選手にお礼を言いたい」

Stacks Image 3961
川西健太くん(17歳): ユーイング肉腫
健太くんの夢は、「憧れの中村選手にお礼を言いたい」というもの。

以前、闘病の一番辛い時期に、お父様が横浜Fマリノスにお電話をし、「息子は小さいときからずっと中村選手に憧れ、サッカーを頑張って来ました。今、大変な病気と闘っています。どうか彼を勇気づけてください。」とお願いをしたところ、中村選手からのサイン入りユニフォームが届きました。

そのユニフォームがまさに健太くんの生きる力となり、病気に立ち向かうことができました。「中村選手に直接そのお礼を言いたい。」それが、メイク・ア・ウィッシュに託された、健太くんのかけがえのない夢でした。

手術の後遺症で右足が少し短くなり、走ることも、右足でボールを蹴ることもできなくなりました。それでも健太くんは大好きなサッカーをどうしても続けたくて、杖をついてプレイをする「アンプティサッカー」に挑戦。今は、日本代表入りを目指して、練習に励んでいます。

撮影当日のフットボールパークは、うす曇り。撮影には絶好のコンディションです。カメラ3台、クルーが20人以上という大掛かりな撮影現場に、それだけで、緊張MAXの健太くんです。練習風景の撮影が順調に進んで行き、いよいよ「フリーキック」の撮影に。

ほどなくして、監督が、「じゃあ、ラスト5本、行こう!試合本番だと思って、集中してキックして!」その掛け声とともに、プロジェクトがスタートします。

実は健太くんには、この日が「夢実現の日」とは全く知らされておりませんでした。もともと、自分の闘病を通じて、子どもたちに勇気を届けたい、と思っていた健太くん。アンプティサッカーを頑張っている健太くんの姿を是非メイク・ア・ウィッシュのプロモーションに使わせてほしい、という名目で撮影に来ていただいておりました。ですから、もちろん、撮影現場に中村俊輔選手がいらしていることなど、思いも寄らないことでした。

「ラスト5本!」の掛け声とともに、グランドに横付けされたワゴン車から、すっぽりとフードをかぶった中村選手が降り立ちます。ラスト4本、ラスト3本…カウントダウンされるたびに、中村選手が健太くんへと近づきます。

健太くんはゴールに集中していて、背後の様子には全く気がついていません。ラスト1本のシュートは、右隅ゴールポストに当たって大きく跳ね返りした。そのシュートの鋭さに、スタッフ全員が沸きあがり、健太くんも笑顔で応えます。そこへ突然、中村選手が…。

「川西くん!」夢がかなった瞬間の、喜びと驚きの入り混じった最高の笑顔の健太くん。その場にいる誰もが幸せになるような、ほんとうにステキな夢実現の瞬間でした。
CMメイキング「夢のサプライズプロジェクト」(2016年3月撮影)
2016年7月1日より、一般財団法人メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパンの CM が放送されました。このCM は、「メイク・ア・ウィッシュの活動を、一人でも多くの方々に知っていただき、一人でも多くの難病と闘う子どもたちの夢をかなえたい」という私たちの想いを受け、公益社団法人ACジャパンの、公共福祉活動を行う非営利団体の広告活動を支援する「支援キャンペーン」の一環として実現したものです。
リストに戻る...